嫌なことを忘れようとするよりも、嫌なことをあえて見つめて良い側面を考える方が幸せなことに気づきました。
これは『漱石と猫の気ままな幸福論』(伊藤氏貴 著、PHP文庫)を読んで学ぶことができました。
本書は夏目漱石の著書から選ばれた、猫のように気ままに生きるための100のヒントを短い解説とともに紹介してくれています。
今回はそんな100のヒントの中から、忘れられない嫌なことはあえて見つめた方が良いことを学びましたので紹介します。
目次
忘れられないならあえて見つめる
夏目漱石の『こころ』には以下のような文句が登場するそうです。
暗いものをじっとみつめて、その中からあなたの参考になるものをおつかみなさい。
(P.191 より)
『こころ』に登場するこの文句は、自分の嫌なことから目をそらさずに見つめて、良い側面を見つけ出そうということです。
忘れようとする努力は、記憶をより深めるだけです。
それならば、最初からその不幸を正面から見つめてみるのです。
ただし、そこから少しでも将来に役に立つことを探すつもりで。
めったにない不幸であればこそ、大きく生かせる教訓も見つかるかもしれません。
(P.191 より)
考えたくないと思うと逆に意識してしまう
この文章を見て、私は反省しました。
私は今、仕事の関係で心を崩してしまったのですが、会社の悪い側面ばかり考えてしまっていたんです。
「自分が心を崩したのは会社が悪い」と毎日のように考えていました。
考えたくもない会社のことを、逆に毎日考えてしまっていたんです。
自分が心を崩す直前の仕事のこと、上司のこと、人間関係のこと、将来復帰したときの社内の人の目のこと、出世のこと、再発しないか、辞めた方がいいんじゃないか・・・など。
本当に毎日です。忘れたいことほど、忘れられないのは本当でした。
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自分の状況を見つめ直してみる
この本を読んであらためて会社や今の自分の状況を見つめてみました。
客観的に見れば、実は悪いことばかりではありません。むしろ恵まれた環境でした。
古い体質で新しい物事の決定や行動が苦手な会社ですが、一部上場企業で待遇は平均的な水準よりは良いです。
仕事内容にやりがいを見出せていませんでしたが、あらためて見つめてみると、わたしは数億円〜数十億円の大規模な仕事を手掛けていました。これほど大規模の仕事はなかなかできるものではありません。
女性や若い人も多い職場環境です。同期や後輩、先輩とも仲良くやっていました。
多くの人の役にも立っている事業内容でもあります。
わたしは悪い部分ばかりに目が行ってしまい、視野が狭くなっていたのかもしれません。
あえて見つめることで解決策が見つかる
会社という嫌なものの良いところをあえて出すことで、自分の凝り固まった思考をほぐすことができました。
自分に言い聞かせる形になるかもしれないですが、目をそらして逃げるよりも幾分か心が楽になりました。
すぐにはムリかもしれませんが、少しずつこれからの人生について前向きに考えていきます。
ありがとう、夏目漱石。
あえて嫌いなものを見つめることで良い側面を見つけることができた。
わたしはなんて幸運なんだろう。
Lucky Rookie
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